星くず英雄伝。
中断していたのは13年間ですが、シリーズがスタートしたのは18年前です。
18年ですよ。18年。
ずいぶん昔です。「一世代」といえるくらい。
実際に、当時高校生だった読者の方が、いま35歳くらいになっていて、子供がいたりすることもあるのでしょうから、充分に「一世代」ですね。
そうして世代が回ったことで、いまちょうど、時代の波がやってきています。
「仲間のために必死になれる男の子。失敗しないヒーロー」の物語が再び求められている時代です。
こうして時代が巡るまで雌伏して、復刊の機会を得られたのも、新木が作家を現役で続けてきたおかげだと思っています。
シリーズが中断した当時、新木はメンタル的に壊れかけでした。
艦これ的にいえば「大破」の状態です。
そのまま強行に進軍するか、それとも帰投するかという選択がありました。
そのとき新木は「帰投」を選んだわけです。
もちろん「進軍」するという選択肢もありました。編集者も読者も、皆が口を揃えて「進軍」を選べと言っていました。
「帰ろう。帰れば、また来られる」
――という言葉があります。
艦これをやっている人には有名ですが、某提督の言葉です。
新木の「撤退」という選択が、正しい選択だったのかどうかはわかりません。
予想通りに大破進軍して轟沈していたのかもしれない。奇跡的に轟沈を免れて作家を続けられていたのかもしれない。星くず英雄伝という物語も既に完結を見ていたのかもしれない。(当初の予定と刊行サイクルなら、2006年あたりに20冊弱で完結を迎えていたはず)
18年経ったいま、すくなくとも、ひとつ言えることは――。
「帰ったから、また来れた」ということです。
辞めずに作家を続けてきたから、またこうして続刊の機会を貰うことができました。
2014年02月18日
星くず英雄伝という作品
posted by 新木伸 at 07:43| Comment(9)
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