2014年02月28日

GJ部はいかにして始まったか

 いまちょうど、「GJ部シリーズ」の最終巻の最終エピソード付近を書いていたりして、なんとなく感慨深いので……。

 GJ部のはじまり秘話です。
 担当編集者である具志堅さんへのインタビューが、ネットのこんなところにあったりします。

http://mantan-web.jp/2012/10/12/20121011dog00m200073000c.html

 ちなみにインタビュー内にある「まったく別の原稿」というのは、これは完全に別の小説。

 超能力が目覚めた六人の少年少女たちが、地球内部から生えてきた生体宇宙船に乗り込み、太陽系に飛び出していきます。そして太陽系先史文明――火星の戦族や金星の長命族たちをまとめあげて、太陽系防衛戦線を張って外敵と戦う、とかいうスペオペでした。
 タイトルは「竜王の船」。完成原稿で1巻目は書き上がっていました。

 でもGJ部の企画に白羽の矢が立ったので、読まれることさえなくお蔵入り〜。
posted by 新木伸 at 15:20| Comment(1) | コンテンツ

2014年02月23日

星くず英雄伝復刊までの運び

 いかにして星くず英雄伝は復刊に至ったか。

 じつはいちばん大きな理由は、このブログに書いた記事でした。

「アニメ化作家78人の内訳」
http://araki-contents.sblo.jp/article/52254252.html

 こちらの記事の最後のほうに、「シリーズ既刊9冊。既刊の再版+新刊続行という条件で、シリーズまるごと引き受けてくださる場合には、ぜひご一報ください」と書いてあったわけですが。
 書いた本人もまさか来ないだろうと思っていたら、なんと、来ちゃいました。

 そもそもはGJ部がアニメ化したことも大きかったと思います。
 えーと。時系列順に説明します。

 去年の中頃ぐらい。
 アニメの放映も終わり、中等部の完結までの道筋も確定させて、GJ部というシリーズそのものをそこで終えるという重要な決断を下したあたりで、新木は気持ち的に一段落つけられまして……。
 時期的には6月とか7月とかですね。日本一周の旅に出ようとかいうあたりですね。
 心機一転、新しいことをはじめたり、あるいは中途で投げ出していたことを再開させたりする心境になっていました。
 そこでようやく勇気を振り絞りまして、AMWに「星くずの続きの原稿あるんですけど、これ出ます?」と訊いてみました。返答は予想の通りに「出ません」というものでしたので、それでは、ということで、すべての既刊の出版権の引き上げの手続きに入っておりました。

 その頃、新木は「アニメ化作家」となったおかげで、いろいろとお仕事の引き合いも増えていました。
 新規レーベルを立ち上げるということで、ぽにきゃんBOOKSの編集さんとお会いしたのもこの頃です。日本一周を終えてからだから8月ですね。
 当然、創刊に合わせて新シリーズを――という話だと思い、打ち合わせに出むいたところ、ななな、なんと、「星くず復刊させましょう」というお話。ブログを見ておられたとのこと。

 いやー。だめもとで書いてみるものです。
 編集さんが言うには、1巻読んでハマり、3巻目でもっとハマり、5巻目でのめりこんだとか。
 えー。はい。あのあたりの勢いはものすごいものがありますよね。自分で言うのもなんですが。
posted by 新木伸 at 18:27| Comment(52) | 星くず英雄伝

2014年02月20日

いかにしてラノベは厚くなったか

 そういえば現在では、300ページを超えるラノベは珍しくもなんともないどころか、むしろ300ページは超えていないと物足りないぐらいに思う人が多いはず。

 ラノベを厚くしたのは、なにを隠そう「星くず英雄伝」だったりします。

 20年ほど前には、「厚いのダメ絶対。売れなくなるから」というのが定説となっていました。
 1990年代の前半くらいまでは、ラノベはすべて256ページ近辺でした。
 300ページを超えている本は数冊程度。
 皆無でこそないものの、それらは新人賞を獲った一冊目で分冊不可でやむなく、とかいう特殊事情がある本でした。

 それを覆してみせたのが「星くず英雄伝」です。毎巻300ページをぶっち切っていて、そして売りあげも出して、「絶対売れない」という常識を見事に覆してみせたわけです。
 そうしたら「なんだ。厚くても売れるんじゃん」てなことになりまして……。
 300ページ超えがだんだんとタブーではなくなってゆきました。

 そうして星くずが、細い獣道を作ったところに、川上稔がブルドーザーで乗り付けてきて、片側三車線の高速道路を整備しちゃったわけです。
 その川上稔も1996年のデビュー作は300ページを超えていなかったりします。デビュー作のパンツアーポリス1935が、ちょうど星くず英雄伝の1巻と同じ月の発売で、獣道が作られる以前でした。

 2000年くらいになると、300ページ超えはだんだんと「普通」になってきました。
 現在ではそもそも「厚い」とさえ言われない。

 でも300ページが「厚い」「常識外」だった時代もあったわけです。
posted by 新木伸 at 14:16| Comment(4) | 星くず英雄伝

2014年02月18日

星くず英雄伝という作品

 星くず英雄伝。
 中断していたのは13年間ですが、シリーズがスタートしたのは18年前です。

 18年ですよ。18年。
 ずいぶん昔です。「一世代」といえるくらい。
 実際に、当時高校生だった読者の方が、いま35歳くらいになっていて、子供がいたりすることもあるのでしょうから、充分に「一世代」ですね。

 そうして世代が回ったことで、いまちょうど、時代の波がやってきています。
 「仲間のために必死になれる男の子。失敗しないヒーロー」の物語が再び求められている時代です。

 こうして時代が巡るまで雌伏して、復刊の機会を得られたのも、新木が作家を現役で続けてきたおかげだと思っています。

 シリーズが中断した当時、新木はメンタル的に壊れかけでした。
 艦これ的にいえば「大破」の状態です。
 そのまま強行に進軍するか、それとも帰投するかという選択がありました。
 そのとき新木は「帰投」を選んだわけです。
 もちろん「進軍」するという選択肢もありました。編集者も読者も、皆が口を揃えて「進軍」を選べと言っていました。

    「帰ろう。帰れば、また来られる」

 ――という言葉があります。
 艦これをやっている人には有名ですが、某提督の言葉です。

 新木の「撤退」という選択が、正しい選択だったのかどうかはわかりません。
 予想通りに大破進軍して轟沈していたのかもしれない。奇跡的に轟沈を免れて作家を続けられていたのかもしれない。星くず英雄伝という物語も既に完結を見ていたのかもしれない。(当初の予定と刊行サイクルなら、2006年あたりに20冊弱で完結を迎えていたはず)

 18年経ったいま、すくなくとも、ひとつ言えることは――。
 「帰ったから、また来れた」ということです。
 辞めずに作家を続けてきたから、またこうして続刊の機会を貰うことができました。
posted by 新木伸 at 07:43| Comment(9) | 星くず英雄伝