ラノベの売れかたには、いくつかのパターンがあります。
A.1巻から爆発的に売れる。
B.そこそこ売れる。
C.1巻だけは売れる。
D.ずっと売れない。
一般にいって、わかりやすい指標としては「アニメ化している作品は売れている」というものですね。
でも業界内部ではもうすこし細かい区別があったりします。
その指標となるのが「重版」の版数です。巻の後ろのあたりの奥付に版数が書いてあります。その版数とは、本を追加で印刷した回数のことです。
本は最初に万の単位で刷りまして、そのあと、売れ行きをみながら、追加で数千部単位で刷ってゆきます。
追加が出るというのは、予想を超えたということで、けっこう凄いことだったりします。
そこの版数が10版とか20版とか書いてあったら、まずAです。
Bは爆発的ヒットではないが、じわじわと人気があがってゆくケース。
Cは1巻のみ重版がかかるケース。1巻は面白そうだったので買ってみたが、読んだら面白くなかったので2巻以降買わなかった、とかいうことになるんでしょうね。きっと。1巻の初刷り部数とそれ以後の落ち込みかたにもよりますが、たいてい5巻くらいで終了となります。
Dはどの巻にも重版のかからないケースです。たいてい3冊あたりで打ち切りになります。でもこの手の物語に限って、濃ゆいファンがついたりします。マイナー受けするものはメジャー受けしない、ということなんでしょうね。きっと。
ちなみにAはたいていアニメ化します。アニメ化しなかったら、なんでどうしてー? という感じです。
Bは重版の数がきっちりとピラミッド状になっていれば、巻数を進めるうちにアニメ化の可能性が出てきます。
CとDにはアニメ化の可能性なんかありゃしません。ていうか、そもそも巻数を続けてゆくことさえ不可能です。
なおピラミッド状の売れ行きというのは、こんな感じのこと。
1巻……7版
2巻……6版
3巻……5版
4巻……4版
5巻……3版
6巻……2版
7巻……初版
このように調子よく、10巻くらいまで伸び続ければ、1巻の版数が10版に届きます。
そうするとマンガ化アニメ化の可能性がなくもない……といったあたりですね。
このB場合には、著者と物語が望めば巻数は延長可能です。つまり十巻を超えているシリーズは、最低でもB以上の売れかたをしているということです。ちなみにB未満の場合には、7巻くらいが限度です。
新木はA以外のB、C、Dをすべて経験済みです。
GJ部はBとCの間で、どちらかといえばB寄りというあたり。
Aのパターンのような爆発的ヒットは、ある意味「運」です。
作品自体が、面白くて良作であるという最低条件のほかに、あとなんでしょう、タイミングとか流れとか、なんかそんなようなものが必要です。
でもBまでなら良作を出せば狙っていけます。
いま新木の目指しているのは、常にBとなる良作を世に出し続けることです。何シリーズもそれを続けているうちに、アニメ化とか……したいなぁ。
2011年09月17日
ラノベの売れかた
posted by 新木伸 at 16:51| Comment(5)
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